20世紀を代表する陶芸家であるルーシー・リーの、没後はじめての本格回顧展を見に国立新美術館へ行ってきました。(6月21日までみたいです)
ウィーンに生まれイギリスに亡命したルーシー・リーは70年近くも創作活動を行いましたが、若い頃から才を認められ、年を重ねるごとになお素晴らしい作品を生み出していった彼女の、陶芸に捧げた人生を感じられる展覧会でした。戦時中ビミニ社のために作られた陶器ボタンや、戦後ウェッジウッド社のために製作されたプロトタイプ、とてもたくさんの釉薬ノート…などなど見所はたくさんあったけれど、私は彼女の出す、神秘的で上品で可愛い高潔な感じがするピンク色が本当にほんとうに好きで、何よりもそれを生で見たかったので、見られて大満足でした…!
せっかく出掛けたので、別フロアで開催されていたオルセー美術館展もついでに見ましたが、こっちは、うーん、混んでて参りました。個人的にポスト印象派の作品ってあんまり興味がないので(印象派は好き)、ゴッホの『星降る夜』とドガの『踊り子』以外は流し見てしまったかも。でも、ベルナールの『愛の森のマドレーヌ』はちょっと惹かれて立ち止まってしまいました。ベルナールのことはあまり知らなかったのですが、どれどれ?と気軽な気持ちで説明を読んだら、マドレーヌというのはベルナールの妹で、敬虔なクリスチャンで非常に美しかったが結核で早世してしまった…という、うっかり切ない話だったのでした。